ダダイズム

アートタイムです。 『20世紀の美術』(美術出版社)を主に参考にしながら、近代以降の各ジャンルごとにまとめるページです。 各アーティストについては、ARTISTのカテゴリでまとめていきます。新たに知ったことがあればどんどん追記していきます。

ダダイズムは、第一次世界大戦中の反抗的でアナーキーな部分を背景にして、市民社会の文化や倫理、合理性などを攻撃しました。市民社会に支えられた近代の芸術も批判の対象となりました。つまり、ダダイズムは、市民社会に反発して起こりました。 レディ・メイド、コラージュ、フォトモンタージュ、オブジェなどの非合理性を強調する新しい技法や発想を取り入れました。

ダダイズムは以下の3つの時代に分かれます。 ●チューリッヒ・ダダ ●ドイツ・ダダ ●ニューヨーク・ダダ

【チューリッヒ・ダダ】 1916年にスイスのチューリッヒで始まります。 言葉から意味を切り離して、音声やイメージの輝きを回復させようとする活動です。ルーマニア語で「そうだ、そうだ」を意味する言葉として、「ダダ」と名付けられました。彼らはフーゴ・バルの開設した「キャバレー・ヴォルテール」の夜会で、パフォーマンスやイヴェントと繰り広げました。

チューリッヒ・ダダの代表作家は、ジャンヌ(ハンス)・アルプです。 材料と行為との原初的な関係に焦点をあてた作品を制作しています。

ですが、1919年にツァラがパリへ、アルプがケルンへ去ったことにより、チューリッヒ・ダダは終わりを告げました。

*作品 ●[偶然の法則にしたがって配置された矩形]/アルプ ●[トリスタン・ツァラの影の肖像]/アルプ

〈アーティスト〉 ●トリスタン・ツァラ:詩人。 ●フーゴ・バル ●リヒヤルト・ヒュルゼンベック ●マルセル・ヤンコ ●ジャン(ハンス)・アルプ

【ドイツ・ダダ】 第一次世界大戦末期にドイツでダダが起こります。 1918年にヒュルゼンベックがチューリッヒから帰国し、「ダダの夕べ」で本格的な活動が始まります。

混乱する社会を背景にし政治的な関係が強く、印刷文字と印刷物の写真などの組み合わせによるフォトモンタージュが特徴です。

ハノーヴァーで活動していたシュヴィッタースは、1919年に最初のメルツ絵画を制作します。メルツ絵画とは、現実の生活の細部や断片、路上の廃棄物やがらくたを絵画にしたものです。やがて、メルツ建築など、立体作品へ発展します。

*作品 ●[ダダ万歳]/ハウスマン ●[わが家訓]/ヘッヒ ●[Eve Stee]/シュヴィッタース

〈アーティスト〉 ●ラウル・ハウスマン ●ハンナ・ヘッヒ:ハウスマンに触発される。 ●クルト・シュヴィッタース

【ニューヨーク・ダダ】 ニューヨーク・ダダは、ヨーロッパから帰ったアルフレッド・スティーグリッツが、アーモリー・ショーでピカビアと知り合ったことで始まります。アメリカの現代美術は、スティーグリッツが1905年に画廊291をつくったことによって、スタートしていくのです。そして、この画廊の名前をとった雑誌『291』を、ピカビアとデュシャンとともに創刊します。

ニューヨーク・ダダには、洗練されたユーモアや皮肉、嘲笑などの特徴が加わります。

とくにニューヨーク・ダダに代表される作家は、マルセル・デュシャンです。 彼は、もともと画家でした。しかし、感覚器官にだけ訴える「網膜的」な絵画に批判的になり、絵画を止めてしまいます。最後の絵画[Tu m'(おまえは私を)]は、作者の手と感覚によらない影と無感覚的な色彩の羅列によって、美的な造形としての絵画ではなくなっています。そして彼は、レディ・メイドの手法を生み出します。偶然に選ばれた日常品の組み合わせで、視覚的な美しさや作者の手法を重んじる芸術作品への揺さぶりをかけることとなりました。

*作品 ●[階段を下りる裸体No.2]/デュシャン ●[女綱渡り芸人は自分の影を伴う]/マン・レイ ●[自転車の車輪]/デュシャン ●[神]/シャンバーグ ●[Tu m'(おまえは私を)]/デュシャン ●[彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁さえも]/デュシャン ●[スフィンクス]/ピカビア

〈人物〉 ●アルフレッド・スティーグリッツ ●マルセル・デュシャン ●マン・レイ ●モートン・シャンバーグ:オブジェを提示。 ●ウォルター・アレンズバーグ:コレクター。 ●エドガー・ヴァレーズ:前衛音楽家。 ●フランシス・ピカビア

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