キュビスム #2: ピュトー・グループ

アートタイムです。 『20世紀の美術』(美術出版社)を主に参考にしながら、近代以降の各ジャンルごとにまとめるページです。 各アーティストについては、ARTISTのカテゴリでまとめていきます。新たに知ったことがあればどんどん追記していきます。

第一次世界大戦前には、2つの芸術運動がありました。

キュビスム未来派です。

キュビスムは、ルネサンス以降のリアリズムを批判し、現実の対象や空間に対する視覚と認識の仕方を問い直そうとしました。 未来派は、近代社会の変化と機械産業の活性化、特に自動車や飛行機の速度が時間と空間を縮小していくダイナミズムに注目しました。

どちらも現実の分析=総合という方法によって新しい創造の可能性を探りました。

前回は、キュビスムについて勉強しました。 キュビスムの考え方は、現実を複数視点から眺め、同時的に合成した図像として構成しようとするものです。

キュビスムは大きく、以下の3つの時代に分けることができました。 ●セザンヌ的キュビスム ●分析的キュビスム ●総合的キュビスム

おもに、ピカソとブラックが作り上げてきたキュビスムでしたが、彼らの実験的な作品たちは、専属のアトリエでのみ公開されており、展覧会などに出品されることはありませんでした。よって、一般にキュビスムの存在が知れ渡るのは、彼らの後継者たちの作品によってでした。 今回は、この後継者たちの集団「ピュトー・グループ」について勉強します。

1911年のアンデパンダン展よって批評家や鑑賞者から、キュビスムに対する批判を浴びます。 ピュトー・グループは、この展覧会のメンバーを中心として結成されます。そして、1912年に「セクション・ドール」展を開きます。

彼らは、ピカソやブラックが創始した分析的方法を手段や様式として利用しましたが、総合的段階を経験しない者も多くいました。中心人物のヴィヨンは、印象派的キュビストと自称しました。彼の使った、多面的なプリズム状の形体表現は、グレーズやメツァンジェでも多用されています。ピカソやブラックの分析的キュビスムからの派生表現であるようです。

デュシャンのキュビスムは独特です。 ジュール・マレイやマイブリッジの運動する人体の連続写真から影響を受け、キュビスムに動きと時間を加えています。1912年のアンデパンダン展では批判され作品を自ら撤回し、さらに1913年のアーモリー・ショーでもスキャンダルとなりました。すこし未来派と共通する特徴がありますね。

*作品 ●[森の中の裸像]/レジェ ●[チェスプレイヤーの肖像]/マルセル・デュシャン ●[階段を下りる裸体No.2]/マルセル・デュシャン

〈アーティスト〉 ◎1911年アンデパンダン展の新メンバー ●ロベール・ドローネー ●ジャン・メツァンジェ ●アルベール・グレーズ ●ル・フォーコニエ ●ロジェ・ド・ラ・フレネー ●マルセル・デュシャン:セザンヌ、フォーヴィスムの影響を受ける。 ●フランティシェク・クプカ ●フランシス・ピカビア

◎1912年セクション・ドール展からの新メンバー ●ヴィヨン兄弟・・・ジャック・ヴィヨン、レイモン・デュシャン=ヴィヨン、マルセル・デュシャン ●アンドレ・ロート ●ルイ・マルク―シス

〈キーワード〉 ●『キュビスムについて』:1912年にグレーズとメツァンジェが共著で出版。 ●アーモリー・ショー:アメリカの最初の近代美術展。

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